当法人が自己破産の対応を得意とする理由
1 自己破産について
自己破産は、借金が返せなくなったときに、一定の財産を債権者に平等に分配する一方、裁判所から免責決定を受けることで、借金の返済を免除してもらうという手続きです。
ここでは、弁護士法人心がそれを得意とする理由について解説します。
2 自己破産の経験値
全く同じ内容の事件はありませんが、多くの事件をこなすことで、事件の見通しを立てやすくなり、かつ、適切な準備を行うことが可能となります。
弁護士法人心は、弁護士ごとの破産申立件数もさることながら、法人全体で膨大な数の破産申立てを行っています。
それ故、豊富な経験に基づく的確な見通し・適切な準備が可能です。
自己破産においては、費用や手続きに大きな違いが生じることから、同時廃止になるか、管財事件になるかが、最大の関心事となっています。
具体的には、管財事件の場合には、管財人に支払う報酬等が別途求められるため、同時廃止に比べて20~30万円多く必要となります。
同時廃止の見立てで申立てをした結果、管財事件となってしまい、管財報酬が支払えないために申立てを取り下げることになっては、目も当てられません。
とはいえ、すべての事例において、管財事件になることを想定して費用の積立をするのは、債務者に過大な負担を強いることになります。
弁護士法人心では、これまでの経験を踏まえ、債務者の実情に即して、同時廃止になるか管財事件になるかについて、見通しをお伝えしています。
3 研修・研鑽
破産事件に携わる弁護士は、各々、破産に関する書籍を読み、知識の集積に励んでいます。
また、法人内において定期的に勉強会を開き、知識や経験の共有化に努めています。
これらによって、弁護士個人としても、弁護士法人心全体としても、自己破産に対する処理能力が向上していると解されます。
4 最後に
このように、弁護士法人心は、自己破産の対応を得意としていることから、自己破産を検討されている方は、ぜひご相談いただきたいと思います。
自己破産にかかる期間
1 自己破産の手続きにかかる期間は、同時廃止と管財事件で異なる
自己破産には、同時廃止と管財事件という2種類があります。
同時廃止は、目ぼしい財産もなく借金が増えた経緯にも問題が少ない場合で、管財事件は、目ぼしい財産があるか、借金が増えた経緯に問題があって、破産管財人という弁護士が裁判所から選ばれる場合です。
自己破産の手続きにかかる期間は、同時廃止か管財事件になるかによって異なります。
まず、同時廃止と管財事件の簡単な流れを見てみましょう。
2 同時廃止の簡単な流れ
- ① 弁護士に自己破産を依頼して、督促が止まる
- ② 破産する方が、資料集め、費用の準備をする
- ③ 弁護士が裁判所に自己破産の申請をする
- ④ 裁判所が破産手続を開始する
- ⑤ 免責決定(借金がチャラになる)
3 管財事件の簡単な流れ
- ① 弁護士に自己破産を依頼して、督促が止まる
- ② 破産する方が、資料集め、費用の準備をする
- ③ 弁護士が裁判所に自己破産の申請をする
- ④ 裁判所が破産手続を開始する。破産管財人が選任される。
- ⑤ 破産管財人と面談する
- ⑥ 債権者集会
- ⑦ 免責決定(借金がチャラになる)
4 費用の資料の準備の期間は、破産する方ごとに大きく異なる
①~④は、同時廃止でも管財事件でも共通していることが分かります。
ただ、①から④のうち、ほとんどの時間は、②の費用の準備・資料集めにあたります。
同時廃止では裁判所に払うお金が約1万5000円ですが、管財事件では、22~42万円程度ありますので、費用の準備にかかる期間が変わることが多いです。
短い方は一括で準備しますが、1年近くかかる分割で支払う方もいらっしゃいます。
5 同時廃止にかかる期間は、申立てから免責まで5~6ヶ月
同時廃止で③から④までは、1,2ヶ月程度、④から⑤までは3~4ヶ月程度ですので、おおむね5,6カ月になります。
6 管財事件にかかる期間は、開始決定から免責までで4か月~1年程度
管財事件で③から④までは1ヶ月程度ですが、④から⑦までは、3か月から1年程度と事案により差が大きいです。
これは、⑥の債権者集会という裁判所への報告のための出席の機会がおおむね3か月に1回で、目ぼしい財産をお金にかえるのに時間がかかるケースもあるからです。
たとえば、借金が増えた経緯が悪いが財産はない方は、④から⑦で3か月程度ですが、不動産が複数ある方は、全部売却するのに時間がかかり、1年程度かかることも多いです。
自己破産の相談に必要となる情報
1 自己破産のご相談をお考えの方へ
自己破産について弁護士に相談しようと考えているが、弁護士に相談することが初めてで、どのようなことを聞かれるのか不安だという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、弁護士に自己破産の相談をする際に必要となる情報についてご説明します。
2 借金に関する情報
⑴ 債権者名
自己破産では、すべての借金を対象にして、その支払い義務を免除してもらうことになります。
そして、どこからいくら借金をしているかは、債権者一覧表という表にまとめて記載し、裁判所へ提出することになります。
もし、債権者に漏れがあった場合には、その借金は原則として破産の効力が及ばなくなりますので、どこから借金をしているか可能な限り把握しておくのがよいでしょう。
また、そもそも、借金の総額がいくらなのかのおおよその金額は、破産の方針を検討する際に非常に重要です。
⑵ 借金が増えた原因
自己破産の手続きにおいて、どのような経緯で借金が増えてしまったのかを説明する必要がありますので、なぜ自己破産を考えなければならないほど借金が増えてしまったのかを見つめ直し、その原因を把握しておきましょう。
3 財産に関する情報
自己破産の手続きでは、一定の金額を超える財産については、処分されてしまう可能性があります。
そこで、現金・預貯金、保険の解約返戻金、退職金、自動車、不動産、株券など、自分がどのような財産を持っていて、その価値がいくらかを把握する必要があります。
4 生活に関する情報
自己破産の手続きでは、家計の収入・支出の状況を報告する必要がありますので、一月当たりどれくらいの収入があるか、何にいくらくらい使っているのかを把握する必要があります。
家計の状況を見て、借金の支払義務を免除したとしたら経済的な再生(生活の立て直し)ができるかどうかという点も、裁判所が自己破産を認めるか否かの判断材料となっています。
もし収入・支出のバランス的に赤字の状態が続いていると、自己破産が認められない場合がありますので、収支の見直しが必要となります。
5 お気軽にお問合せください
自己破産の相談をする際、弁護士からは上記のような情報を聴かれることが多いといえます。
もっとも、これらの事情をすべて完璧に把握していなければ相談に乗ることができないというわけではありませんので、自己破産に関する相談をご希望の方は、弁護士法人心までお気軽にお問い合わせください。
自己破産の流れ
1 自己破産をお考えの方へ
自己破産をお考えの方でどのような流れで進んでいくか知りたいという方へ、自己破産の流れについてご説明します。
2 弁護士との相談から自己破産申立てまで
⑴ 弁護士との相談・契約
借金の状況や収入・支出の状況、財産の有無など債務整理をするにあたって必要な情報を把握し、債務整理の方針ごとに異なるメリット及びデメリットや今後の流れ、費用体系等をご説明の上、適切な債務整理の方法を検討していきます。
そして、方針が決まったら、弁護士と委任契約を結ぶことになります。
⑵ 受任通知の送付、支払停止
弁護士と正式に契約をすると、弁護士から債権者宛に「受任通知」という書面が発送されます。
この書面が債権者に届くと、債権者からの請求が止まります。
⑶ 費用の支払
債権者への支払を停止した後に、弁護士費用や手続きにかかる実費、破産管財事件となる場合には管財人費用を支払っていただきます。
なお、当法人では費用の分割払いも承っておりますので、弁護士とのご相談の際にお尋ねください。
⑷ 資料収集、家計の状況の作成
自己破産の申し立てをする際、裁判所には様々な資料や家計の状況(家計簿のようなもの)の提出を求められますので、申立てへ向けて資収集や家計の状況の作成等の準備を進めていきます。
⑸ 自己破産の申立て
費用の支払、資料収集、家計の状況の作成等の準備が完了したら、裁判所へ自己破産の申し立てを行います。
3 破産申立後の手続き
⑴ 開始決定
自己破産の申立てを行うと、裁判所が提出された資料や家計の状況等の書類の内容を確認します。
その上で、裁判所が確認すべきと判断した内容について説明を求められたり、追加資料の提出を求められることがあります。
そして、裁判所が手続きを開始すべきと判断すれば、「開始決定」が出されます。
⑵ 同時廃止事件と管財事件
自己破産の手続きには、簡易な「同時廃止事件」と、破産管財人という弁護士が選任される「管財事件」とに分かれます。
- ア 同時廃止事件
- 津地方裁判所四日市支部における同時廃止事件の場合、開始決定後しばらくすると「免責許可決定」という借金の支払義務を免除する決定がなされます。
- 「免責審尋」という裁判官との面談がある裁判所もありますが、津地方裁判所四日市支部では免責審尋はほぼ行われません。
- イ 管財事件
- 破産管財人は、破産をする方の財産を換価して債権者への配当を行ったり、免責を認めるか否かについての調査をすることを職務としています。
- そして、破産をする方は破産管財人の調査に協力する義務を負っており、その義務の一環として破産管財人のもとへ面談に出向く必要があります。
- その後、裁判所にて行われる「債権者集会」に出席する必要があります。
- 債権者集会では、破産管財人から、破産に至った経緯や債権者へ配当に回すことができる財産の有無・金額や、免責に関する意見が述べられ、免責が相当であると裁判所が判断すれば「免責許可決定」が出されます。
破産しても免責にならない債務
1 自己破産は借金の支払義務を免除してもらう手続き
自己破産は、裁判所を通じて借金の支払義務を免除してもらう手続きです。
しかし、法律上、自己破産をしても支払い義務が免除されない債務というものがあります。
2 租税等の請求権
税金や国民年金、国民健康保険料については、自己破産をしても支払い義務が免除されません。
したがって、これらについて滞納がある方は、役所等と支払方法について協議する必要があります。
3 不法行為の損害賠償債務
悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償債務や、故意または重大な過失により人の生命・身体に損害を加えた不法行為の損害賠償義務は、被害者救済の必要性が高いことから、自己破産をしても支払い義務が免除されません。
4 知りながら債権者一覧表に記載しなかった債権者
自己破産の場合、すべての債権者を債権者一覧表に記載しなければならず、すべての債権者を平等に取り扱う必要があります。
そこで、一部の債権者を知りながらあえて債権者一覧表に記載しなかった場合、その債権者に対する債務は免責の対象とはならないと破産法上規定されています。
5 親族関係に関する債務
婚姻費用分担請求権や養育費請求権などは、債権者の生活の基盤となり得るものであるから、自己破産をしても支払い義務が免除されない債務とされています。
なお、親族等から借り入れがある場合の債務についてはこれに当たりませんので、支払い義務が免除される借金に含まれます。
これは、仮に親族等にだけ支払いを続けたいという希望があったとしても、他の債権者との平等性を害してしまいますから、親族等にだけ支払いをすることはできません。
6 罰金
罰金は社会的な制裁としての側面があり、支払い義務を免除することは妥当ではないため、自己破産をしても支払い義務は免除されません。
7 自己破産をお考えの方はご相談ください
このように、自己破産をしてもあらゆる債務の支払い義務が免除されるわけではありませんが、通常の金融機関からの借金については支払い義務が免除されますから、生活の立て直しに大きく役立つ手続きであることは間違いありません。
自己破産をして生活を立て直したい、借金問題の悩みをなくしたいとお考えの方は、弁護士法人心までご相談ください。
自己破産と銀行口座の凍結
1 自己破産をすると銀行口座が凍結になることがある
自己破産をすると、銀行口座が凍結されるという話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、銀行口座が凍結になることについて心配されている方へ、自己破産をした場合の銀行口座の凍結についてご説明します。
2 凍結になる銀行の範囲
自己破産をした場合に、凍結になる可能性のある銀行口座は、借り入れのある銀行や、銀行系列の業者から借り入れがある場合にその系列する銀行に限られます。
クレジットカードの引き落とし口座に指定している口座や、家族の口座まで凍結になることはありませんので、ご安心ください。
3 口座が凍結になるとどうなるか
銀行口座が凍結になると、一定期間口座からの入出金ができなくなります。
したがって、例えば給与の振込先口座に指定している口座が凍結になってしまった場合、給与の入金ができなくなったり、あるいは振り込まれた給料を引き出せなくなったりします。
また、公共料金や携帯電話代などの引き落とし口座に指定している場合には、それらの引き落としができなくなります。
そこで、給与の振込先や公共料金等の引き落とし先に指定している口座が凍結になることが予想される場合には、給与の振込先や公共料金等の引き落とし口座を変更する手続きを取られることをお勧めします。
4 銀行口座が凍結になる期間
銀行口座が凍結になる期間は、およそ2~3か月ほどであることが多いです。
これは、銀行から借り入れがある場合、保証会社が借金を代位弁済(債務者に代わって返済をすること)することになります。
その結果銀行自体は債権を持たなくなりますから、口座を凍結しておく必要もなくなり、口座の凍結が解除されることが多いです。
ただし、銀行によっては保証会社による代位弁済がなされた後も凍結が解除されないこともありますので、詳しく知りたい方は弁護士にご相談ください。
自己破産と保証債務
1 保証債務とは
借入れやローンを組む際に、金融機関から(連帯)保証人を立てることを条件としなければ借入れをすることができない場合があります。
そして、保証人とは、主たる債務者(主債務者)が借金・ローンの支払いができなくなった時に、代わりにその支払いを行う義務を負う者をいい、 この保証人が負う債務のことを保証債務といいます。
2 保証人になってもらっている借金がある方の自己破産
主債務者が自己破産をする場合、裁判所によって自己破産が認められれば主債務者自身の借金の支払義務は免除されます。
しかし、自己破産によって免除されるのは主債務者個人の債務のみであり、保証人自身が負っている保証債務については免除の対象とはなりません。
したがって、主債務者が自己破産をすると、債権者から保証人に対して請求が行くことになります。
3 保証債務を負った方の自己破産
他人の借金の保証人になった場合でも、主債務者が借金の支払いを滞りなく行っているうちは、債権者から連絡が来ることは基本的にはありません。
しかし、主債務者が借金の支払いできなくなったり、上述のように主債務者が自己破産等をすると、債権者から保証人に対し借金の支払いを請求されます。
借金の残額が少なく、支払いができる程度であれば問題ないかもしれませんが、保証人を立てることを条件にした借金は金額が大きいものであることが多いですので、保証債務の支払いができなくなることもあります。
そのような場合、保証人も自己破産を検討した方がよい場合もあります。
例えば、夫婦の旦那様が主債務者、奥様が保証人となっている場合、旦那様だけ自己破産をしても奥様の保証債務は残ってしまいますから、夫婦としての生活の立て直しを図るのであれば、夫婦ともに自己破産をしなければならない場合もあり得ます。
4 保証人になる、なってもらうのは慎重に
保証人が必要な借入れをする際、支払いができるのであれば問題ありませんが、万が一支払いができなくなってしまった場合に保証人に大きな影響が及びます。
他人の借金の保証人になること、自分の借金の保証人になってもらうことは、慎重に検討した方がよいでしょう。
この点は、一定程度改正された民法により対応がされています。
5 保証債務の自己破産のご相談は弁護士法人心まで
他人の借金の保証人になっており債権者から請求が来て悩んでいる、保証人を立てた借金があるが自己破産を検討しているといった方は、当法人までご相談ください。
詐欺被害と破産
1 詐欺被害にあわれた方からの破産の相談
破産の相談をお受けしていると、様々な事情で借金を負うようになってしまった方と出会います。
ギャンブルや投資で失敗した方、病気などで働けなくなって生活費として借り入れをした方、お子さんの学費や教育費として借り入れをした方、借金の保証人になってしまった方…。
近年では、詐欺の手口も巧妙になってきているためか、借り入れをしたお金を詐欺の加害者に渡してしまったという方もいらっしゃいます。
2 詐欺被害にあった場合でも借金の支払義務を負う
詐欺被害にあって借金をしたとしても、借り入れをしたのはご本人ですから、その借金の支払い義務自体は負ってしまうことが原則です。
借入先の金融機関に詐欺被害にあったと説明をしても、基本的には借金の支払義務を免除してくれることはないと思われます。
また、詐欺の加害者に対して損害賠償等の請求を行おうとしても、そもそも加害者を特定できなかったり、被害にあったお金が費消されており返還を受けられないケースがほとんどですので、多額の借金だけが残ってしまう結果となることが多いといえます。
3 自己破産をすることはできる
借金の支払義務を負っていたとしても、自分の支払能力を超える借金を抱えてしまった場合、場合によっては破産管財事件となる可能性はありますが、自己破産をすること自体は一般的に可能です。
破産をしようとしている方が詐欺被害に遭ったことを裁判所に対して丁寧に説明するとともに、しっかりと反省をしていることを示すために反省文を作成したり、二度と借金をしないように生活を改めることができていることを家計の状況(家計簿のようなもの)を提出して示すなど、真摯に手続きに協力をすることができれば借金の支払義務を免除してくれる可能性は十分にあります。
4 詐欺被害にあって借金を抱えてしまった方は弁護士にご相談を
詐欺被害にあってしまい多額の借金を抱えてしまったとお困りの方は、弁護士法人心までご相談ください。
自己破産をする場合、裁判所に行かなければならないかとご心配な方へ
1 同時廃止事件の場合
同時廃止事件の場合、「免責審尋」という手続きがあります。
これは、破産を申立てた裁判所に破産をする方が出向いて、裁判官と面談の上、質問を受ける場をいいます。
通常、免責審尋は平日の日中に行われますので、平日に仕事を行っている方の場合、その日は仕事を休んだり、半休を取るなどして出席しなければなりません。
もっとも、すべての裁判所で免責審尋を行っているわけではなく、免責審尋を行っている裁判所と、行っていない裁判所があります。
四日市市にお住まいの方は、地方裁判所の四日市支部に自己破産を申立てることになりますが、四日市支部では免責審尋の手続きが省略される場合が多いです。
もっとも、裁判所の運用が変わることもあり得ますので、気になる方は、相談の際に弁護士に確認してみるとよいでしょう。
2 破産管財事件の場合
破産管財事件の場合、「債権者集会」という期日が開かれます。
これは、裁判所に、裁判官、破産管財人、申立代理人弁護士、破産をする方、債権者(金融機関の場合にはほとんど来ることはありません。)が集まる場で、主に破産をする方の財産から債権者に配当することができる財産の有無、配当の内容等について破産管財人から報告があり、裁判所から破産をする方に対して質問がされることもあります。
債権者集会は、債権者への配当に回すことができる財産がない場合には1回で終わることもありますが、例えば不動産を持っている方など、換価(売却してお金に変えること)をするまでにある程度の期間を要するものがある場合には、複数回にわたって期日が設けられることがありますので、何度か裁判所に足を運ばなければなりません。
3 裁判所に呼ばれるとしたら数か月前に日程調整の連絡が来る
免責審尋や債権者集会が開かれることになった場合、裁判所から数か月前に日程調整の連絡が来ますので、勝手に期日が指定されて急に仕事を休まなければならないということは基本的にはありません。
その点はご安心ください。
不動産がある状態で破産をお考えの方へ
1 自己破産を検討しているが、不動産を所有している場合
不動産を所有しているが自己破産を検討しているという方向けに、自己破産をするとどうなるかについてご説明します。
2 不動産を手放すことになる
自己破産をする場合、破産をする方の所有する20万円以上の財産は換価(処分してお金に換えること)され債権者へ配当されます。
したがって、不動産がある状態で自己破産をすると、不動産を手放さなければならなくなります。
3 破産管財事件になる
不動産の換価、債権者への配当は、裁判所から選任される破産管財人という弁護士が行うことになります。
破産管財人が選任される場合、裁判所へ納める予納金がかかります。
また、破産管財人は、免責を許可するかどうかについて調査し裁判所に意見を述べることも職務としており、何度か破産管財人と面談をする必要がある場合があり、その場合何度か破産管財人の事務所に面談に行く必要があります。
さらに、破産管財事件となった場合、債権者集会という裁判所で行われる期日に出席しならず、平日に裁判所へ行かなければなりません。
4 オーバーローンの不動産の場合、任意売却を行うことにより同時廃止事件になる場合もある
⑴ ローンの残っている不動産がある方が破産をする場合、上記のような破産管財事件にならないことがあります。
それは、自己破産をする前に不動産を慎重に任意売却することです。
⑵ 不動産ローンを組む際、通常は住宅に対し抵当権という担保権が設定されていますので、不動産を売却するとその代金はローン会社又はその保証会社が優先的に取得することになります。
そして、ローンの残額と不動産の価値を比べた時に、ローン残額の方が大きい場合(オーバーローンの場合)、自己破産の申立前に任意売却をすることができれば、不動産以外にめぼしい財産がない場合には同時廃止事件(破産管財人は選任されない簡易な事件)になる可能性もあります。
5 不動産がある場合の自己破産のご相談は弁護士法人心まで
破産管財事件となる場合、必要となる費用の金額も大きくなりますが、当法人では費用の分割払いも可能です。
また、任意売却に関するご相談もお受けいたしますので、不動産のある自己破産についてのご相談は当法人までお気軽にお問い合わせください。
自己破産をした場合の保険への影響がご心配な方へ
1 自己破産をすると保険はすべて解約しなければならないの?
自己破産を検討されている方の中には、自己破産をすると保険をすべて解約しなければならないのか心配される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、自己破産をしてもすべての保険を解約しなければならないわけではなく、一定の条件を満たせば保険を残すことができます。
2 貯蓄型の保険の場合
⑴ 解約返戻金額が20万円を超えるかどうかで結論が変わる
貯蓄型の保険の場合、途中で解約した場合でも、解約返戻金として一定の金額が戻ってくる場合があります。
そして、自己破産の場合、20万円を超える価値のあるものについては、お金に換えて債権者に分配しなければならない運用となっています。
したがって、解約返戻金額が20万円を超える場合には解約が必要になる可能性が高いですが、解約返戻金額が20万円以下であれば、保険を残すことができる可能性があるといえます。
⑵ 契約者貸付を受けている場合
契約者貸付という解約返戻金の一部について前払いを受ける制度を使っていた場合には、解約返戻金の総額から契約者貸付を受けた部分を差し引いた残額が財産的価値として評価されます。
例えば解約返戻金額が50万円、契約者貸付で35万円の貸し付けを受けていたとすると、財産的価値としては15万円と評価されますので、保険を解約せずに済む可能性があります。
⑶ どうしても保険を残したい場合には?
解約返戻金額が20万円を超える場合であっても、持病等の関係で現在加入している保険を解約すると再度加入することが難しいような場合や、子供の学資保険など子供のためにどうしても残したいといった場合は十分考えられます。
このような場合、一定の金額を債権者への分配に回すことで保険を残すことができる場合がありますし、破産をしても残すことができる財産の範囲を広げてもらうよう裁判所に申立てをし(「自由財産拡張の申立て」といいます。)、裁判所に認められれば保険を残すことができます。
3 掛け捨て型の保険
掛け捨て型の保険では、解約をしても解約返戻金はなく、財産的価値はゼロと評価されますので、解約する必要はありませんが、保険料が高額すぎると評価される場合等には対応が必要な場合がありえます。
自己破産ができるかご不安な方へ
1 自己破産ができるかご不安な方へ
自己破産についてご相談に来られる方の中には、自己破産ができるのか不安に思われている方もいらっしゃいます。
ここでは、そのような不安をお持ちになる原因の典型例を挙げながら、自己破産ができるのかについて説明します。
2 借金の使い道が浪費やギャンブル、株・FXなどが原因である場合等
自己破産の手続きでは、裁判所に借金の支払い義務を免除してもらう免責許可決定を受けなければなりません。
しかし、法律上、裁判所が免責を許可しないことができる事情として「免責不許可事由」(破産法第252条第1項)が定められています。
その典型例として、借金の使い道が浪費、ギャンブルが挙げられますので、これらの事情に該当するため、自己破産ができるか不安に思われている方が多いです。
しかし、免責不許可事由に該当する場合であっても、しっかりと借金が増えてしまった原因を見つめ直し、真摯に手続きに取り組めば、裁判所の裁量で免責許可決定が得られる可能性は十分あります(これを「裁量免責」といいます。)。
3 借金の金額が比較的少ない場合や、家族に財産等がある場合
自己破産ができる要件として、支払不能の状態であることが必要とされています。
「支払不能」とは、借金のある方の収入や財産などの客観的な状況からして、借金の返済を続けていくことが不可能である場合を意味します。
そうすると、借金の金額が少なく、財産をお金に換えたり、収入の中から返済を継続することができる場合には、支払不能とはいえず自己破産が認められない可能性があります。
もっとも、支払不能かどうかの判断は個人の財産や収入等を基準に判断されますので、例えば家族に財産や安定した収入があったとしても、破産する方に財産や返済できるだけの収入がない場合には、支払不能と認められ、借金の金額が比較的少なくても自己破産が認められる可能性があります。
4 以前に破産をしたことがある場合
以前に自己破産をしたことがある方の場合、2度目の自己破産ができるか不安に思われることが多いです。
確かに、前回の自己破産における免責許可決定確定の日からから7年以内に、再度自己破産の申し立てをすることは、上述した免責不許可事由に該当し、自己破産が認められない可能性が高いですが、7年を超える期間が経過してれば、免責不許可事由には当たりません。
もっとも、一度自己破産をして借金の支払い義務を免れながら、再度借金を繰り返してしまった点は重く受け止められますので、破産管財事件となる可能性が高まります。
5 まとめ
ここに挙げたものに限らず、自己破産ができるか不安に思われている方は、弁護士法人心にご相談ください。
自己破産によって自動車を手放すことにならないかご不安な方へ
1 自動車ローンの残っている車の場合
自己破産では、裁判所を通じて借金をゼロにしてもらう手続きです。
ここでいう借金には、銀行や消費者金融、カード会社からの借入れ等のみならず、自動車ローンも含まれます。
そして、自動車ローンが残っている状態で自己破産をすると、原則的には自動車を手放さなければなりません。
それは、通常自動車ローンの契約をするとき、ローンを完済するまでは自動車の所有権はローン会社や車のディーラーのもとに残る契約内容になっていることが多く、自己破産をするとローンの残額を支払うことができなくなりますから、所有権に基づいて自動車が回収されてしまいます。
自動車ローンが残っているが、その自動車を手元に残したい場合には、第三者から援助を受けて自動車ローンを一括返済することで、自動車が回収されることを防ぐ方法を検討することがあります。
ただし、そのような場合でも、次に記載する20万円以上の価値があるかどうかには注意が必要です。
2 20万円以上の価値のある自動車
自己破産の場合、20万円以上の価値のある財産はお金に換えて債権者に平等に配当する運用をとっている裁判所が多く、津地方裁判所も同様の運用になっています。
したがって、自動車ローンの残っていない自動車であっても、20万円以上の価値のある自動車は、破産管財人によって売却されてしまう可能性があります。
もっとも、お住まいの地域によっては、公共交通機関の駅やバス停も近くになく、自動車がないと生活がかなり不便になってしまうこともあるかと思います。
そのような場合には、裁判所に事情を説明することで、20万円以上の価値のある自動車でも手元に残す判断を得られる場合もあります。
3 まとめ
以上をまとめると、基本的に自己破産をしても手元に残るのは、自動車ローンがなく、20万円以下の価値の自動車であるといえます。
生活や通勤のために自動車をどうしても残したいという方は、弁護士にご相談ください。
自己破産を弁護士に依頼した場合にかかる費用
1 自己破産にかかる費用
自己破産をする際にかかる費用としては、①弁護士に払う弁護士費用、②裁判所に払う費用(申立手数料、予納郵券、予納金)があります。
2 弁護士費用
⑴ 着手金
弁護士に自己破産を依頼する際に必要となる費用です。
当法人では22万円(税込)からと設定しておりますが、債権者、借金の金額、財産の多さ、管財事件となるか否か等様々な要素を総合的に見て個別的に判断されます。
⑵ 実費
弁護士が業務をする際の郵便切手代やFAXなどの通信費、コピー代等がこれにあたります。
おおむね1~2万円程度かかります。
⑶ 日当
自己破産手続では、裁判所によっては免責審尋という手続きで裁判所に出廷が必要となることがありますが、津地方裁判所では免責審尋の手続きが行われないこともありますので、出廷日当(弁護士が裁判所に出向く際の費用)がかからない可能性があります。
また、破産管財人が選任される事件では、破産管財人の弁護士の事務所にて打合せをすることがありますので、その出張の際の日当がかかることが多いです。
加えて、破産管財事件の場合、債権者集会という手続きがありますので、裁判所への出廷費用もかかります。
3 裁判所に払う費用
⑴ 申立手数料
三重県内にお住まいの方は津地方裁判所に申立てを行うことになりますが、津地方裁判所の場合申立手数料は個人の場合1500円となっています。
⑵ 予納郵券
予納郵券とは、申立を行う際に裁判所に納める切手のことです。
弁護士が申立てを行う場合、債権者数によりますが、1000円~5000円程度かかります。
なお、使わなかったものは手続き終了後に裁判所から返却されます。
⑶ 予納金
自己破産の申立てをすると、官報という政府の発行する新聞のようなものに名前と住所が掲載されます。
その官報に掲載するために費用を予納金として約1万2000円納める必要があります。
ただし、破産管財人が選任される事件では、予納金として少額予納管財事件の場合約24万円、通常管財事件の場合30万円以上かかります(個人の場合)。
4 費用の支払い方法
当法人では、弁護士費用及び裁判所に支払う費用の分割払いにも対応しておりますので、具体的な費用の支払い方法については、ご相談の際に弁護士にお尋ねください。
自己破産をお考えの方へ
1 自己破産とは
自己破産とは、裁判所を通じた手続きによって借金の支払い義務を免除してもらうこと(「免責」といいます。)をめざす手続きをいいます。
2 自己破産のメリット
任意整理では,債権者と交渉した後合意できた金額を月々返済をし続けなければなりませんし、個人再生でも減額した借金を返済しなければなりません。
他方で,自己破産をすれば、税金や養育費など免責の対象とならない債務を除いて、全ての借金の返済義務がなくなりますから、今後の返済に困ることもなくなり生活の立て直しをすることができます。
3 自己破産のデメリット
⑴ 信用情報に傷がつく
自己破産をする旨,債権者に通知をすると,信用情報センター(いわゆるブラックリスト。主に全国銀行協会,CIC,JICCの3つがあります。)に情報が掲載されます。
掲載される期間としては,最短で自己破産の申立てをしてから5年,最長で自己破産の開始決定の時から10年間となっており,その期間は融資やクレジットカードの申込の際の審査に通らない可能性が高くなります。
⑵ 財産を処分される
自己破産をすると、裁判所によって運用は異なりますが、おおむね20万円以上の価値のある財産は処分されてしまい、債権者へ分配されてしまいます。
⑶ 親族等への返済もできなくなる
自己破産では、すべての債権者を平等に取り扱わなければならないというルール(債権者平等の原則)がありますから、銀行や消費者金融には返済を行わず、他方で親族や勤務先の会社、友人等にのみ返済を行うという不平等な取り扱いは許されません。
⑷ 一定の職種、資格が持てない
自己破産の手続き中は、警備員や生命保険の募集人など、一定の職種や資格を必要とする仕事ができなくなってしまいます。
4 自己破産の相談は弁護士法人心まで
このように、自己破産には様々なデメリットもありますが、返済義務が免除されるという大きなメリットもあります。
自己破産について詳しく知りたいという方は、お気軽にご相談ください。
自己破産のメリット・デメリット
1 自己破産の特徴
自己破産は,他の借金問題の解決方法とは異なり,多くのケースで,手続き後の借金返済の必要がないことが大きなメリットです。
一方で,自己破産では,一部の財産を除き,原則として,財産価値の高い財産は手放すことになります。
2 自己破産のメリット
任意整理など自己破産以外の方法では,手続き後も,新しい条件のもとで,返済をしていかなければなりません。
これに対して,自己破産では,上記のとおり,多くのケースで,借金を返済する必要がなくなります。
そのため,収入が少なく,返済を続けていくことが難しい場合であっても,自己破産であれば行うことができます。
また,自己破産後に得られた収入については,返済に回す必要がないため,生活の立て直しをしやすいといえます。
なお,自己破産で借金を返済する必要がなくなるのは,債務の「免責」を受けられた場合であり,借金の原因によっては免責を受けられない可能性があることや,滞納している所得税など一部の債務について免責されないことに注意が必要です。
3 自己破産のデメリット
⑴ 財産を失う
自己破産のデメリットとしては,財産を手放すことになる点があげられます。
マイホームや車など失いたくない財産がある場合には,自己破産以外の方法を検討する場合もあります。
なお,自己破産をしたとしても,完全にすべての財産を失うわけではなく,一部の財産については,残すことができます。
⑵ 官報に掲載される
自己破産をすると,そのことが官報に掲載されます。
官報を見る人は多くはないかもしれませんが,自己破産をする際には,知っておく必要があります。
4 メリット・デメリットを踏まえて自己破産を検討
自己破産について大きなメリットとデメリットと考えられる点についてご説明しましたが,実際に自己破産をすべきかどうかについては,財産や収入,借金の状況等によって異なりますので,自己破産に詳しい弁護士に相談することをおすすめいたします。
四日市で自己破産をお考えの方は,弁護士法人心四日市法律事務所にご相談ください。