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刑事事件における故意と過失とは
1 刑事事件における故意と過失
刑事事件において、「故意」と「過失」は非常に重要な要素です。
なぜならば、原則として、故意は犯罪の成立において必要な要件だからです。
過失によって罰せられるのは、法律上明文がある場合に限られます。
2 故意について
⑴ 確定的故意と未必の故意
刑事事件における「故意」とは、犯罪結果を発生させることや、犯罪結果が生じることを認識していながら、それ(結果の発生)を認容していることなどを言います。
そして、「故意」には、確定的故意と未必の故意の2種類があります。
確定的故意とは、犯罪結果を確実的に予測している場合であり、これに対し、未必の故意とは、確実には予測していないものの、結果が発生するかもしれないことを予想していながら、結果発生を認容している場合を言います。
⑵ 故意の判断
いずれにしても、故意は、認識や認容と言った内心に関するものです。
とすれば、「そんなつもりはなかった」などと主張すれば、故意が認められることはないようにも思われます。
それでは、内心にかかわる問題であるにもかかわらず、どうやって故意の有無を判断するのでしょうか。
故意の有無については、客観的に存在する状況証拠に基づいて判断されることとなります。
例えば、殺人罪の場合には、凶器の種類や傷害部位などによって判断することとなります。
鋭利な刃物を持って、心臓を狙ったとすれば、刺された人が死亡するかもしれないといった結果を認識していると言えるためです。
3 過失について
「過失」とは、必要な注意を払うことを怠り、結果を発生させてしまったことを言います。
結果予見可能性や結果回避義務を怠ったと難しい言葉で説明されることもあります。
一番身近なケースの一つにあるのが、交通事故です。
例えば、追突事故を起こし、被追突者を負傷させてしまった場合、過失運転致傷罪が成立します。
これは、自動車を走行させるにあたって、前方車両の動静に注視しなければならない義務があるにもかかわらず、その注意義務を怠り、結果(追突)を発生させた、と言えるためです。
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