逮捕されたときの弁護士の依頼の仕方

特に初めて逮捕された場合には、今後、どのような流れになっていくのか、どうしたらいいのか不安に駆られることと思います。

そこで、逮捕されたら、まずは弁護士を呼ぶことが大切です。

今後の流れや、取り調べを受ける際の注意点などを聞くことが出来ます。

逮捕後に呼べる弁護士としては、以下の３つの種類が挙げられます。

1. ⑴　当番弁護士
2. ⑵　国選弁護人（ただし、逮捕だけでは呼べないので注意が必要）
3. ⑶　私選弁護人

逮捕後すぐに当番弁護士を呼ぶことが出来ます。

呼ぶ場合には、警察官に当番弁護士を呼ぶように伝えれば足ります。

ただし、この当番弁護士は、どの弁護士にするのか自分では選べません。

警察から連絡を受けた弁護士会が、候補者リストに沿って順番に選んで派遣することになります。

また、当番弁護士は、基本的には１回接見をして、刑事事件の流れや被疑者に与えられている権利などを説明するだけですので、具体的な弁護活動を行うことは予定されておりません。

そのため、その後の弁護活動もお願いするという場合には、当番弁護士は不向きであり、私選弁護士人や国選弁護人にお願いすることとなります。

国選弁護人の場合も、上記⑴と同様、国選弁護人を呼ぶよう伝えれば足ります。

警察から連絡を受けた法テラスが、候補者リストに沿って順番にもしくはランダムに選んで派遣することとなります。

そのため、国選弁護人を自分で選ぶことはできませんし、また、解任することも容易ではありません。

国選弁護人は国に選任された弁護人ですので、解任するためには、裁判所に解任請求を行い、裁判所が解任相当という場合にしか解任がされないからです。

また、国選弁護人は、勾留決定がなされた以降に就任することになりますので、逮捕直後は国選弁護人を呼ぶことはできないことに注意が必要です。

さらに、国選弁護人は、選任から何時間以内に接見に行かなければならないというルールが明記されているわけではありませんので（推奨されている時間はありますが）、すぐに接見に駆け付けられるとは限りませんので、その点にも注意が必要です。

私選弁護人は、本人や家族が委任契約を締結した弁護士になりますので、国選弁護人のようにどの弁護士にするか選べないといったことはありません。

自分で弁護士を選ぶことができます。

また、私選弁護人は、国選弁護人と異なり、就任時期についても制限がありませんので、逮捕直後であっても（勾留決定前でも）弁護人となり、弁護活動を行うことが出来ます。

例えば、勾留前であれば、勾留阻止に向けた弁護活動なども行うことが出来ます。

逮捕された場合、本人が身柄拘束されているので、家族が弁護人を依頼することもあります。

ただし、国選弁護人は、本人からの申出が必要であって、家族から申し出することはできませんので、家族が国選弁護人を依頼することはできません。

家族が依頼するとした場合、当番弁護士か私選弁護人ということになります。