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債務整理と換金行為

  • 文責:代表 弁護士 西尾有司
  • 最終更新日:2023年2月28日

1 換金行為とは

クレジットカード枠の現金化とは、例えばクレジットカードで金券や新幹線のチケット、家電製品、ブランド品などを購入し、それを売却して現金を手に入れることをいいます。

また、クレジットカード枠の現金化をするとの誘い文句で、特定の商品を購入して送るよう指示し、現金を交付することを行う業者もいるようです。

しかし、クレジットカード枠の現金化は、クレジットカード会社の利用規約に違反する行為であり、本来行ってはいけません。

もっとも、借金の返済に追われてクレジットカード枠の現金化に手を出してしまう人は少なからずいます。

では、クレジットカードの現金化を行うと、債務整理にどのような影響があるのでしょうか。

2 自己破産の場合

自己破産では、クレジットカード枠の現金化を行っていた場合、免責不許可事由に該当し、借金の支払義務が免除されない可能性があります。

参考リンク:裁判所・自己破産の申立てを考えている方へ

もっとも、免責不許可事由に該当するとしても、その程度や金額等によっては、しっかり反省をした態度を見せることができれば裁判所の裁量で借金の支払義務が免除される可能性もあります。

3 個人再生の場合

個人再生の場合、裁判所を通じた手続きではありますが、自己破産のように免責不許可事由に関する法律上の規定はありません。

もっとも、小規模個人再生の場合、債権者の多数決を経なければなりませんので、クレジットカードの利用規約に反した以上、当該クレジットカード会社が反対する可能性が高くなることもあり得ます。

4 任意整理の場合

任意整理の場合、現金化したクレジットカード枠の金額も含めて全額返済をしていくことになるため、クレジットカード枠の現金化があっても問題になるケースは少ないといえます。

5 弁護士へご相談ください

債務整理にあたって、クレジットカード枠の現金化は自己破産の場合には結論を左右する可能性がありますが、任意整理、個人再生の場合ではあまり大きな影響は無いと考えられます。

もっとも、クレジットカードの利用規約に反する行為である以上、裁判所や債権者からの印象は悪くなってしまいます。

クレジットカード枠の現金化をしなければ借金の返済ができない、あるいはすでにクレジットカード枠の現金化をしてしまっているという方は、債務整理を検討した方がよいかと思いますので、一度弁護士にご相談されることをおすすめします。

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