発達障害で障害年金が受け取れる場合
1 発達障害とは
発達障害は先天的な脳の機能の発達の遅れによる障害で、コミュニケーションの取りづらさ、社会性の乏しさ、限定された興味の対象、強いこだわり等の特徴があり、知的障害を伴うことがあります。
知的障害がなくても、大人になって仕事をし始めると、周囲と話がかみ合わなかったり、指示の内容を理解できなかったり、臨機応変な行動ができなかったりして、周囲に馴染めなかったり、仕事を続けていくのが難しくなってしまう場合があります。
また、人間関係や仕事でのストレスを抱えやすいことから、適応障害やうつ病等を併発することもあります。
2 発達障害の認定基準
障害年金の認定基準では、発達障害は精神の障害の一つと位置付けられています。
発達障害の認定基準は、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするものを1級、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、日常生活への適応にあたって援助が必要なものを2級、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、労働が著しい制限を受けるものを3級としています。
また、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」では、知能指数が高くても、特に対人関係や意思疎通の面で日常生活能力が低い場合は、それを考慮して認定することになっています。
3 発達障害で障害年金を申請する際のポイント
発達障害の症状、特にコミュニケーションや社会性にどのような不自由があるかを正確に診断書へと反映してもらうことが重要です。
そのため、幼少時からの症状の推移や治療の経過等を書面に整理して、診断書の作成を依頼する際にそれを医師に見てもらうことが有効な手段となります。
また、就労している場合には、障害者雇用であるか否かや、周囲のどのような配慮のもとに就労が可能となっているか、就労をする上でどのような苦労があるか等をしっかり医師に伝え、診断書に反映してもらうことも重要です。
また、発達障害と診断される前に適応障害やうつ病等の精神障害が発生している場合には、一般的には先に発生した精神障害で初めて医療機関の診察を受けた日が、発達障害の初診日となります。